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必死剣鳥刺し

最初が藤沢小説を原作として、「たそがれ清兵衛」だったので、手っ取り早く藤沢シリーズと行きますか。

「必死剣鳥刺し」
・制作年 2010年
・監督 平山秀幸
・原作 藤沢周平 隠し剣孤影抄 「必死剣鳥刺し」
・キャスト 豊川悦司(兼見三左エ門)、吉川晃司(帯屋隼人正)、小日向文世(保科十内)、池脇千鶴(里尾)、村上淳(右京太夫)、岸田一徳(津田民部)、関めぐみ(連子)ほか
*以上、allcinema データベースより。

この原作は、たそがれ清兵衛と同じ藤沢周平全集第十六巻に所蔵されている短編作品である。

映画のストーリー展開はほぼ原作に沿った内容となっており、特に登場人物の会話などは、ほとんど原作と一致しており、映像と会話に全く違和感がない、と云うことはそれほど藤沢小説が描くリアリティーが優れていることではないかと思う。

映画は、海坂藩二百八十石取りの上士、物頭を務める兼見三左エ門が、藩主右京太夫の愛妾連子を殿中で刺殺する場面からスタートする。

ここは原作とは違うのだが、サムライが殿中でいきなり女性を刺殺するシーンと云うのは、見ている側にとってはかなり衝撃的であり、刃傷の理由が判りかねる分、映画に引き込まれることになり効果としては抜群である。

原作の兼見三左エ門は六尺を越える大男となっており、主役の豊川悦司の身長も186cmで、まさにハマり役。醜男で性質の荒い大魚、と表現された原作の三左エ門と特徴的な風貌をしている豊川とは少し似通っているかもしれない。

兼見は切腹・斬首を覚悟した上で行動を起こすのだが、その後の沙汰はごく軽いものであり、一年の閉門が解けたのちに、藩主の直近に仕える近習頭取に任命されるあたりは、この小説のキモでもある。

城を傾けるほどの美女を傾城と云うが、右京太夫が溺れる愛妾の連子はまさにこの傾城で、藩政に口出しし、藩主の威光を傘に着た狐であり、殺されて当然と云う憎々しい演技が、映画冒頭の刺殺シーンを理解させる。

映画の最後のシーンで、兼見は「無残」と云う言葉を吐くのだが、この映画もまさしく無残。すべては愛妾を殺された藩主の復讐劇なのである。そして必死剣鳥刺しは最後の見せ場となる。

藤沢小説の面白さを遺憾なく表現した作品ではあるが、病没した兼見の妻の姪である里尾と兼見は男女の仲となるのであるが、ワタクシ的には、この配役(池脇千鶴)はもう少し大人っぽい女性の方が良かったような気がする。

評価 ⭐️⭐️⭐️⭐️ 



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by go_st_andrews | 2015-06-22 18:50 | 映画の部屋

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